デンソー、FOMM、三菱、日産・・・「インホイールモーター」開発が盛んに
新興のベンチャー企業がEV事業に比較的参入しやすい理由は様々ですが、その一つにはモーターは自動車のエンジンより生産が容易であるという点があると思われます。
モーター製造のノウハウや技術を持っている企業も、開発に乗り出したり力を入れたりしてきているようです。
自動車電装部品の大手「デンソー」も、3月21日~25日に東京で行われた「デンソーデザインの変化展」でちょっと面白いモーターを出展しました。
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公式ページはこちら。
台車などに使用するキャスターサイズのインホイールモーターで、様々な製品に取り付けすることが可能、複数搭載すると互いに情報をやりとりして走行制御し、更にスマホなどで操作することも可能という優れものです。
残念なのは、あくまで展示用の研究コンセプトなので商品化予定がないということ。
しかしインホイールモーターの開発は続けていくとのことで、このノウハウを使用した面白い発想のEVも造れちゃいそうですよね。
このホイール内に搭載する方式の「インホイールモーター」、開発が段々と盛んになってきているようで、三菱自動車も9年ぶりに本格的な開発を再開。
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岡山県と共同研究するとのことで、地元ベンチャーの活性化にも一役買いそう。
三菱の最近のEV系の車両はエンジンのように車体に内蔵するタイプですが、案外近い将来インホイールモーター搭載で小型車ラインアップの一新があったりするかも?
緊急時に水上走行も可能!ということで話題になった、神奈川のベンチャー企業「FOMM」が市販化を目指す「FOMMコンセプトOne」もインホイールモーターでしたね。
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開催中の「バンコクモーターショー」で展示されているようです。
去年の「東京モーターショー」に日産が出店したコンセプトカー、「ブレードグライダー」は一人乗りではありますが、スポーツモデルのEVとしてインホイールモーターを搭載。
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市販化につながるコンセプトモデルだそうで、小型のインホイールモーターでも高性能なスポーツモデルを実現できる!という期待を持たせてくれます。
なんでも「GT-R」よりコーナーリング性能が上なんだとか。
小型の趣味車って、こういう形になっていくのかな?
メンテナンスなどの維持費がガソリン車より浮きそうなら趣味として続けやすいでしょうし、個人的には歓迎したいです。
長い年月蓄積したノウハウを持つ老舗の自動車メーカーでなくてはガソリンエンジン搭載車の取り扱いはかなり難しいでしょう。
しかしそれらのノウハウががなくとも、アイディア次第でベンチャー企業でも勝負できる土壌があるEV事業は今後さらに盛んになっていくでしょうね。
もちろん、上の記事のように三菱や日産などの自動車メーカーも、面白そうなEVを開発してくれそうです。
そして「インホイールモーター」搭載車は、動力がホイール内に搭載される事によって車内レイアウトの自由度が非常に高くなるめ、様々なアイディアを盛り込む余地ができます。
今までにない自由な発想のEVを、たくさん見られることを期待したいです。