ルノー・日産・三菱が業務提携。各社の得意な車種をOEM供給。さらに電気自動車を共同開発。
三菱自動車がルノー・日産連合と業務提携をするという発表がちょっと前にありましたね。
日産はルノーの傘下に入っているため、すでに協力関係にありました。
また、日産と三菱は三菱側の軽自動車をOEM供給することから始まって、「NMKV」という合弁会社を設立し軽自動車を共同開発。
その会社の第一弾モデルとして「デイズ」が発売されています。
今回は三菱とルノーも手を結ぶことになるんですね。
現在三菱自動車は主にSUVに注力している状態で、セダンなどのモデルはあまり力を入れられないようです。
そこにルノーは自社のセダンをOEM供給。
ルノーとしても三菱にOEMすることで、販売不振で低下した供給率をアップさせる狙い。
次に、軽自動車をベースにした新興国向けコンパクトカーの生産。
スズキなどがすでに軽ベースの800cc車をインドで販売していたりしますが、軽自動車の製造ノウハウで新興国向けコンパクトカーを造るスタイルは非常に有効なようですね。
実際、日本の軽自動車は各社様々な制限の中で高度に技術を発展させて、しのぎを削ってきました。
その様々なノウハウは低価格コンパクトカーにもかなり活かせるはずです。
三菱はその軽自動車をOEM供給することで、新興国向けに軽自動車の展開を進めることができるわけです。
そしてこの業務提携のメインは、電気自動車(EV)。
この3社はすでに電気自動車を製造・販売していますが、逆に言えば世界的に見てこの3社しかまともに量産していない状況。
その他社より先行しているお互いの技術を共有し、共同開発していくことで開発費や製造費を下げるメリットを狙うようです。
規格の共通化もユーザーにアピールできそうですし、充電設備もおなじ規格で製造できるのでこれまたコストを下げられるでしょうね。
さらに、軽車両を使ったEVの生産もこの提携には盛り込まれているそうです。
三菱の「i-MiEV」で既に実績があるとおり、元々街中を走るのに適した軽自動車はEVとの相性はバッチリ。
航続距離が弱点とされるEVも、街乗り用軽自動車としてターゲットを絞ることでハードルはある程度下げられるでしょう。
こうしてみると、お互いかなりのメリットを見込んでの提携だったわけですね。
電気自動車の普及はまだまだ先の見えないところがある、というのが正直なところでしょう。
しかし今回のこの3社の提携は、その普及のハードルを大きく下げる可能性を秘めているといえそうです。