GMの「10年不具合放置」リコール問題、トヨタ大規模リコール時との差
先月の話題になりますが、GMが2002~2007年に販売した車両の不具合、なんと今年になってやっとリコール対象になったという話。
GM、点火スイッチ問題でリコール件数が全世界で160万台に拡大 - WSJ.com
遅れに遅れたリコールで、対象の車両は約162万台にも上るとのこと。
この遅れを受けて、米司法省や議会が調査に乗り出す事になりました。
時事ドットコム:米GM、不具合10年放置か=13人死亡、議会が追及へ
GM、リコール遅れで被害拡大か 10年前から欠陥を放置 (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
不具合の内容は、点火スイッチ。
走行中にエンジンが停止したり、エアバッグが動作しなかったりする恐れがあるということです。
この不具合が原因と思われる事故で13人の方が亡くなったそうで、かなり大きな問題ですね。
ここでちょっと思い出すのが、2010年頃にアメリカであったトヨタの急加速問題。
トヨタの社長が呼び出される事態にまでなり、かなり注目を集めました。
たくさんの訴訟がありましたが、その中で不具合発生時に「160キロで暴走、バックギアに入れたりサイドブレーキを掛けたりしても減速しなかった」という証言者が登場。
構造上不可能(あるいはエンジン停止、もしくはギア損傷になる)なはずの「走行中にバックギア」が可能だったり、最後は「神の力で止まった」り、
「トヨタは恥を知れ」 急加速体験の女性、米公聴会で証言 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
日本人からすれば「はあ?」といった感じの証言が続々。
しかし証言者が不具合発生後に売却したその車は、暴走時にあんなにハードな操作をされたにも関わらず、目立った故障もなくちゃんと走行していたり。
レクサス、「急加速」なく使用 現在の所有者に確認 - 47NEWS(よんななニュース)
報道を見る限り、どうやって信用してあげればいいのか困るような証言ばかりでした。
とりあえず、去年は数ある裁判のうちのひとつでトヨタ側が勝訴。
トヨタ、米の急加速問題で勝訴 別の訴訟に影響も :日本経済新聞
400件ほどの訴訟で和解に向けて動き出しているそうです。
米国で大規模な和解協議へ トヨタ車急加速めぐる訴訟 - MSN産経ニュース
トヨタ、急加速問題開示めぐり和解金10億ドルで近く合意か=報道 | Reuters
当局の調査でも結局電子制御に不具合はなく、やっと風向きがトヨタに向いてきたといったところでしょうか。
しかし、今回のGMのリコール問題、10年もの間放置してやっと調査というのは、色々と納得がいかない感じがしますよね。
やはり自国の企業に甘い、というより極端にアンフェアな印象を持ちます。
もちろん製品を公平に見てもらった上で、それとは別に自国の企業を保護する政策を実施する、というなら納得なのですが。
なんだか自国の企業の敵は難癖つけて潰しちゃえ、って考えでもあるのかと疑ってしまいます。
トヨタは調査の際に電子制御技術をGMに見られた、という話もちらほら聞きますしね。
でもそれはGMがプリウス1台買えば済む話かな?勘ぐり過ぎですかね。
とにかく今回のGMの不具合問題、13人もの死者を出した上に10年ほど放置というのは、妙な証言や報道の多かったトヨタ急加速問題よりずっと大問題な気がします。
当然、より厳しい姿勢で調査に臨んで欲しいです。
自由と平等の国ならば。