タント・N-BOX・スペーシア・デイズ ルークス・eKスペースと、出揃った「モアスペース軽」を数値で比較!
ダイハツ「タント」のモデルチェンジや、日産「デイズ ルークス」三菱「eKスペース」の登場で、各社の「モアスペース軽」が出揃いましたね。
そこでその性能をカタログ値から、ごく簡単にですが比較してみようと思います。
比較対象は、ノンターボ・FF駆動のお手頃なグレード。
「デイズ ルークス」と「eKスペース」は姉妹車なのでまとめてあります。
ターボ車の比較については、今のところちょっと未定です。
まあ、お手頃グレードの比較ということでご勘弁を。
まずは、このジャンル最大の魅力である「サイズ」からです。
・・・単位を忘れてました。mmです。すいません。
赤字はその項目で最も大きな数値となってます。
外側のサイズは、全長と全幅ともに全車種横並び状態。
当然ですが、軽自動車枠をめいっぱい使っています。
全高に関しては、ホンダの「N-BOX」が最も高い数値。
続いて日産の「デイズ ルークス」三菱「eKスペース」が続きます。
ホイールベースは「N-BOX」がトップ。
しかし、室内のサイズは外のサイズとちょっと違ってきます。
前後の室内長は、「デイズ ルークス(eKスペース)」が最も長くなりました。
ホイールベースでは下から2番目ですが、レイアウトをかなり工夫したのでしょう。
室内幅は「N-BOX」、そしてダイハツ「タント」が横並びでトップです。
スズキ「スペーシア」と、「デイズ ルークス(eKスペース)」はそれより3センチほど低い数値です。
真っ二つに分かれましたね。
室内高は「N-BOX」と「デイズ ルークス(eKスペース)」がツートップ。
頭上が広々で快適そうです。
「デイズ ルークス(eKスペース)」、さすが最後発だけあってなかなかの広さ。
しかし、この中では古株?の「N-BOX」、室内の幅と高さは最もゆとりがありますね。
さすがは販売台数の元王者です。
「スペーシア」は突出した広さこそありませんが、室内長と室内高で2番手に着けていて、結構バランスは取れている印象。
タントも幅は広いですし、選ぶ際にこれら数センチの差をどう取るか、ですね。
さて、次はエンジン性能や重さ、取り回しなどの比較です。
広さが売りのモアスペース軽ですが、そこはやはり軽自動車。
街乗りでは軽快に走りたいところですよね。
そこで気になる軽さですが、最も軽いのはスズキ「スペーシア」。
他の車種が軒並み900kg台なのに対して、なんと800kg台半ばという数値!
比較して80kg~110kgほども軽い、というのは驚異的な軽さです。
一番重いのは、「N-BOX」。
ホンダの軽自動車は他社よりちょっと重い傾向がありましたが、「N-BOX」も例外ではないようです。
そして、これこそ最も気になるポイントという人も多い(はずの)、低燃費性能。
トップは、「スペーシア」の29.0km/L。
このサイズでこの燃費は素晴らしい。
おそらくその軽さも影響しているのでしょうね。
2番手である「タント」の28.0km/Lもなかなかの低燃費です。
フルモデルチェンジで、ダイハツも元祖の意地を見せました。
「N-BOX」は25.2km/Lと、一番振るいません。
車種が増えて比較する対象が多くなると、この数値は気になってしまいますね。
「燃費性能の追求よりバランス重視」という「デイズ ルークス(eKスペース)」は、26.0km/L。
スズキ、ダイハツに比べると、こちらも多少見劣りするかも。
出力については、「N-BOX」が58psと一番高いです。
トルクも最も高く、街乗りに不満はなさそう。
「タント」と「スペーシア」が52psと横並びで、トルクはわずかに「スペーシア」が良い数値。
最後発の「デイズ ルークス(eKスペース)」は49psと、出力的には最も低くなってしまってます。
何だか出足で他車種に劣っていそうですが、注目したいのは、「バッテリーアシストシステム」という新装備。
減速時のエネルギーを電力としてリチウムバッテリーに蓄え、燃料を消費するオルタネーターの代わりに電装品へ電力を供給するという、主に燃費に効くシステムです。
これはオマケの要素として、オルタネーターのエンジンへの負荷をその電力で肩代わりする分、エンジンパワーに余裕が生まれ、出足が良くなるというメリットが。
なので、「デイズ ルークス(eKスペース)」は、カタログの数値以上に「良く走る」車と言えます。
そしてスズキの「エネチャージ」も基本的な仕組みは同じものなので、「スペーシア」もパワー感に関して他のライバル車に劣ることは、まず無いでしょう。
非常に評判がいいですからね、「エネチャージ」の出足は。
こうなると、体感の動力性能的には「タント」がちょっと劣ってくるかもしれませんね。
しかし、実際のところは「私にはパワーはこれで充分」という人も多いでしょうし、やはり試乗して比べたほうがいいと思います。
最後は小回りの性能。
「スペーシア」が最小回転半径4.2mと、最も小回りが効く車となっています。
ただ、「レーダーブレーキサポート」が搭載されると4.4mとなり、他のライバルと同等の数値になります。
一番大回り?なのが「N-BOX」の4.5m。
惜しくもわずか10センチ、他の車に及びません。
しかし、この数値はいわゆるコンパクトカーに比べると充分低い数値(マツダ「デミオ」で4.7m)。
「どうしても可能な限りの小回り性能が必要だ!」
という人でなければ、それほど気にするものでもないかな?と思います。
さて、それぞれの車で特徴というか、長所と短所が結構分かれた印象となりました。
それだけ各社、気合を入れて開発したということでしょうね。
室内の幅広さか、長さか、高さか、あるいは燃費性能なのか、ストレスの少ない走りか。
基本、同じコンセプトの車たち。
一定以上の広さから、さらに何を求めるかが購入のポイントになりそうです。
もちろん、デザインや使い勝手に関する機能なども大事なところですよね。
この比較が少しでも車選びの参考になれば幸いです。