MTとATのいいとこ取り?スズキが新型ミッション「Auto Gear Shift(オートギヤシフト)」を開発
インドで2月5日に開催されるデリーオートエキスポにて、スズキが新型トランスミッション
「Auto Gear Shift(オートギヤシフト)」
を発表します。
こちらが公式プレスリリース
スズキ株式会社 企業ニュース 2014年1月14日 スズキ、新トランスミッション「Auto Gear Shift(オートギヤシフト)」を開発し、インドで公開
MTの燃費性能や運転の楽しさと、ATの快適性を両立させたミッションといったところでしょうか。
私が真っ先に思い浮かんだのは、いすゞの「デュアルモードMT」ですね。
トラックに搭載されているトランスミッションなのですが、シフト操作時に通常のクラッチを踏んでつなげる操作と、クラッチ操作無しでつなげる操作が出来る、というものでした。
試しにクラッチレスで運転しましたが、左足を動かさないという収まりの悪さとギアチェンジ時の妙なテンポが我慢できず、結局通常のクラッチ操作のあるモードで運転をすることに。
ただこれは個人的な感想で、慣れれば渋滞などで威力を発揮するいいシステムではあったと思います。
今回スズキが発表したのは、内容をよく読むとそれとは大分違ってました。
基本構造はMTでありながら、どうやら最初からクラッチが無く、且つATのようにシフトをホールドしての運転も可能なようですね。
AT同様クリープがあるのも特徴。
バッサリとクラッチレス!
こっちのほうが「クラッチがあるのに使えない」もどかしさが無くて慣れやすそう。
まあ、もし運転するとなると最初しばらくは左足で床をポンポン蹴ってしまうとか、見ててちょっと面白い絵面になりそうですが(いやそんなことないかな)、それはそのうち慣れる事。
クラッチをつなぐ楽しさが無いのはちょっと寂しいですが、CVTに多段シフトを付加した物よりMTからの移行は違和感が少なくて済みそうなので、期待しちゃいます。
※(この記述には重大な思い込みが・・・)
ああいうCVTベースの物って、結局使わなくなるというパターンが多いらしいですし・・・
シフトの位置とかが感覚的にわからないって、なんだか不安じゃありません?
※2014年1月27日追記:ところが、このミッションのMTモードのシフトは、CVTによくある「プラス」「マイナス」式のものと判明。
詳しくはこちら。
インドで新型車と共にお披露目されるスズキの新ミッション、シフト形状が判明。既存のCVT・ATのマニュアルモードとあまり変わらず・・・ - クルマ好きなら毎日見てもいいじゃない
それでもそれほど悪くはなさそうですが、ちょっとがっかり・・・
スズキの言う
「クラッチおよびシフトとエンジン協調の制御を工夫することでシフトの円滑化を実現」
という辺りがどれくらいの出来になっているかが評価のポイントになるでしょう。
あと、最近のCVTは制御技術の向上でMT車を上回る燃費のものがほとんどですが、基本的には伝導効率の高いMTがいいですし、燃費性能についても結構期待できそうですね。
でもちょっと気になるのは、この「Auto Gear Shift(オートギヤシフト)」、搭載車の発表をインドでするというところ。
これは、新興国向けのみに搭載されるんでしょうか?
スズキはインドなど新興国向けの自動車に非常に力を入れているメーカーですし、そういったところで売れるのは大変喜ばしいのですが・・・
やっぱり期待の新技術だし、日本でも出してもらって試してみたいんだけどなあ。